今週の腹ペコ通信はお店と料理の紹介ではありません。

『激突めし上がれ』(8月21日放送)というNHKの番組で(自作カレーの極み)と付けられたサブタイトルの元、百名余りのアマチュアによる自作カレーガチ対決がなされました。

そこで見事優勝なさった方のカレーの紹介です。

番組は単なるコンテストではなく各々の人生も絡めた奥深いものです。

その優勝者こそ僕がお世話になっている「まつお眼科」の若い女性の医院長です。
「先生、優勝まことにおめでとうございます」

それではその優勝作『インド愛(EYE)あふれる夏野菜プレート』をご覧ください。
プレートの左下から時計回りに8種類のパーツから構成されています。それぞれに添えてあるのは僕の勝手な『妄想食後感想文』です、なんせ食べてませんので。
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①万願寺とうがらしのビンダルー

 肉・魚などをニンニクとワインまたは酢で煮こんだカレー料理です。

 焼き万願寺とトッピングの万願寺ピュレのソースは単純な酸っぱさ
 に変化を付けます。探れば柚子胡椒も居るではありませんか。
 ココナッツライスと合わせると酸味・青臭さ…甘
さ…のカオスで、
 たちまちインドの裏路地に迷いこみます。

②四葉きゅうりと冬瓜のココナッツカレー 鮎の魚醬

 胡瓜は種を取り輪切りにし、3秒間だけ素揚げにするこだわりよう。
 パリポリ感がいかされて冬瓜の柔らかさと好対照です。鮎の魚醬の
 微かな苦さはインドに飛びそうな魂をかろうじて引き止めます。

 味噌汁感覚で口に含みましたが、表面に浮かんだ辣油のようなヤツが
 暴れはじめます。
③茄子とピーマンのサブジ
 サブジとは野菜をスパイスで炒めたり蒸したりのインド料理。    
 なるほど野菜炒めだけど、茄子とピーマンを盛り立てるこの複雑な味
 こそインドです。

④コリンキーとズッキーニのサラダ 自家製チャットマサラ

 マンゴーやザクロの爽やかな酸味と塩味の利いた手間の掛かった
 チャットマサラと野菜の冷たさが一息つかせてくれます。
 
⑤鳥のチキンアチャール
 タマネギ、生姜、にんにく、香辛料を混ぜ合わせてた衣で鶏肉を
 揚げています。 余韻のある味わいで、これをツマミにインドの
 ビールを一杯というところ。

⑥ゴーヤとオクラのパコラ、自家製パプリカパウダー添え
 天ぷらです。ソース上の赤いのはパプリカをプロセッサーで微粉末に
 したものです。この手法は松尾ドクターのオリジナルで、こうすると
 凝縮された香が一気にひろがります。この手法は審査員のシェフが
 「自分の料理にパクるぞ」と宣言してました。
⑦ココナッツ香るライス
 サラリとしたインディカ米はカレーには必須アイテムですが、ココナ
 ツで甘さをプラス。これで強烈なスパイスを受け止めます。
 上の細切ドライパプリカとインゲンがニクイね。

⑧仁淀川山椒香るデュカ

 ライスの端に少し振ってあります。ナッツ類・スパイス・塩をミック
 スしたものに最強の仁淀川山椒を加えると懐かしさと充足感が満ちて
 きます。


いつもより長い文章になりましたが、勝手に妄想を巡らせました。

もう少しでインドの混沌に溶けてしまいそうでしたが、そこここに隠された「和」が意識をつなぎとめてくれました。

番組でもその「和印折衷」が高く評価され優勝に導かれたようです。

優勝できなかったお二人のカレーも妄想で楽しませていただきました。

ごちそうさまでした。
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【編集後記】

最終選考に残られた3名の自作カレーに対する執念は強く心に残りました。もはや趣味とか道楽を超えています。プロと違うのは「金を出しても食べられない」のなんとも贅沢な点です。近い将来ひょっとして娘さんか息子さんがこのカレーでインドに出店…。
店名はGANKAが何となくインド風でしょぅ。