神戸発 腹ペコ通信

神戸を中心に、血糖値と財布の許す限り食べ散らかした日々。ほぼ日曜の朝発行。

2024年11月

 10/21(月)快晴のお出かけ日和。僕と妻、運転手の長男は、京丹後市にある「和久傳の森」に出かけました。片道3時間半の遠足です。
「和久傳」という会社は広大な敷地内に植林し、森を造り、作物を得、商品化し、数店の飲食店舗・通販で稼ぎ、さらに美術館『森の中の家 安野光雅館』を建て公開している企業です。その店の名は「Wakuden MORI(モーリ)」です。
 前書きが長くなりましたが、これでやっとランチにたどりつけます。
今回も内容が豊富で前半・後半の2週に分けてご案内させていただきます。

〇お肉のセット「京都牛と秋茄子・舞茸の天ぷら」(3520円)
・一の膳:先附け。
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右のお椀は栗寄せと加茂茄子の冷やし椀です。椀の後ろの妙な葉は無花果で蓋代わりに載ってました。左のお皿には無花果にシルクスイートの衣あん・南瓜甘煮・金時芋のレモン煮・蛸の桑茶蒸し・丹波大黒しめじと多彩で迷い箸の世界です。

・二の膳:肉料理とご飯・汁
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皿には京都牛・秋茄子・舞茸・なんと葡萄の天ぷらに野菜が色々と。     
食事として丹波無農薬米の土鍋炊きご飯、ちりめんじゃこ・お漬物・お味噌汁です。漬け物の大根かと思ったものは梨で、シャリ感が残って仄かに甘く糠の香りと相まって初めての味わいです。

・甘味
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西湖(せいこ)は和久傳オリジナルで隣接する工房で作り立ての人気商品です。蓮根の粉と和三盆糖で冷たい餅に仕立てられて笹の葉で包まれてます。

料理は今風に京を演出された人気の品揃え、大概のお人は満足されますなぁ。お酒もありましたが、ここで酔うと後の安野光雅館に失礼なので堪えました。
では次週もお楽しみに…。
                        哲

 ようやく秋らしくなってきた10/11(金)の夜、5か月ぶりに後輩と二人で「マオトーイン」に来ました。かつての上司の悪口を語り合おうという魂胆です。今夜の相棒はこの店は初めてなので「美味しさ」で少し驚かせようとも考えています。
ではそろそろと始めますか。

〇前菜6種盛り(2200円)
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 一目で圧倒される凄さ!軽く眩暈が…。それぞれ紹介すること能わず! 左上から時計回りに品名のみ記します。
・徳島一本釣りハマチ
・茄子冷製の生姜ソースあえ
・岩手白金豚ロースの蒸し豚
・北海道焼き帆立自家製XO醤のせ
・四川山椒、唐辛子、黍砂糖の自家製カシューナッツ(赤い角皿)
・イクラと有明生クラゲの紹興酒あえ(中央の器)

〇紹興酒 (ボトル 2700円)
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「女
紅」(にょじこう)という高級ブランドです。
娘が生まれた時、地下に埋め約18年貯蔵した後、娘が嫁入りする際に掘り出して飲むことから名がついた縁起の良いお酒だそうです。


〇秋玉蜀黍と干し牡蠣(蠔豉)の春巻き髪菜(はつさい)あん(1本770円)
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『髪菜蠔豉 (ファッチョイ ホウシー)は香港の正月料理の1つです。髪菜と干し牡蠣を使っためでたい料理』とネットにありました。春巻きはパリパリ、熱々、もずくの様な髪菜(実は陸生の藻)をソースに散らした品です。トロリと旨く最後は皿を傾けて飲みました。 〇銀杏と海老の甘酒炒め(1870円) 241011マオトーイン9 これも息を呑む彩りの一皿。緩やかに広がる甘酒の香りがその彩りをまとめます。 〇和牛ハツとピーマンの黒胡椒炒め(1870円) 241011マオトーイン10 ハツの大き目のスライスはなんという歯応え、噛み心地の良さ。ピーマンの香りと黒胡椒は見事な脇役です。 〇なんちゃって焼きそば(1100円) 241011マオトーイン11 ネーミングに苦心の跡がありあり。胡麻油でほぐした細麺にもやしと白髪ネギのシンプルさ。 オイスターソースを絡めてから器ごと蒸し上げるというテクニック。器ごとの熱々で麺の香りが活きた逸品。 〇杏仁豆腐 杏仁シロップかけ(絵はありません 550円) 想像通りの見た目と滑らかな口溶けですがシロップの香りが一際です。 料理が出てくるとすぐに上司の悪口は止まりました。そして「うんまぁ~」の連発です。最初は大人しくビールでしたが紹興酒に変わって穏やかに会社の将来を「ああしてこうする」と建設的に考えました。僕の立場は無責任ですので…。 お会計は二人で17000円ほど、驚きと旨さからすると安いです。   Sさん、ごっそうさん。次の機会は年明け頃かな。                                                                   哲                                                                                         

  9/22発行『腹ペコ通信517  JR住吉南「まつお眼科」』で優勝作品をご覧いただきました。ビデオを見返した時、その前の最終予選にこそ洋子先生の発想の原点があると気づきました。改めてその過程を妄想した次第です。今回はその絵を元にした「妄想調理感想文」です。是非ご一読をおねがいします。
タイトルは『日本とインドをつなぐ絶品卵カレー』です。
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 まず甘いココナッツに10種ほどのスパイスを合わせますが、ここで夫から教わった「鰹の煎じ」を加えたら!と気づきました。なんせインドにはない鹿児島特有の調味料なのでオヤッと思わせるのに最適です。「和印折衷」の第一歩です、これで協力してくれた夫の顔も立ちます。
 半熟卵にも気づきました。これもインド人もビックリの食感です。インドでは半熟という概念がありません、「生」は気味悪がられます。半生頃合いの7分20秒で官能的とろみに仕上げています。この時間加減はインド人には出来ぬ芸当です。
 チャパティには「あおさ」を入れて、目新しさとしっとり感で和を演出しました。盛り付けると少し隙間が出来、周囲は野菜の和え物や炒め物で飾りました。こうなれば真ん中のライスが寂しいのでスライスしたライムをのっけました。
 右端に生姜でバラの花を飾ったのは洋子ここにありのサインです。
仕上がりを見て審査員の方がまるでインドの国旗やなと気づいてくれました、が、まさにインドの日の丸弁当です。
・・・ああしんどかった!

  先生、あくまで「妄想調理感想文」ですからお気を悪くしないでくださいませ。
 次はサリーの着こなしですか、和印折衷で…、ついでに診察時の白衣もサリーにすると素敵です、看護師さんも・・・。これも面白そうです。

                          哲

 朝夕は秋らしくなったのに昼はまだ30℃の10/05(土)の昼は「さかばやし」で54年ぶりの中学のクラス会をしました。少し寂しく参加者は9名です。この店は43号線に面した酒心館にあります。お昼の会席で「灘会席」(6500円)を愉しみました。女子はノンアル・男子は「福寿」を中心に昼飲み開始です。

10月は「丹波婦木農場の秋野菜」がテーマの会席となっています。
〇先付「小松菜と茸のお浸し」と前菜「旬菜盛合わせ」
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 先付は柿の木茸・榎木・菊花・塩昆布を和えた緩やかな一品。
 前菜は胡麻豆腐にイクラ・茹で落花生・鯛の子羹・薩摩芋・海老…  全部で10種ほど。

〇吸物「清汁仕立て 萩真丈」とお造り「旬魚二種盛り」
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 清汁には海老や銀杏の真丈と舞茸・芽葱・柚子の香りが一際です。
 お造りは戻り鰹と鯛で、元魚屋の同級生は意外と活きがええと感心
 しています。

〇煮物「とれたて野菜の炊き合わせ」と止肴「鴨ロース煮」
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 炊き合わせ
は薩摩芋・牛蒡・蕪・法蓮草・紅葉麩が薄味で上品
 に仕上げてます。
 止肴は柔らかな鴨ロースに焼き葱・スプラウト・レタスが添えられ
 丹波婦木農場の自家製醤油を掛けて食べます。とてもコクのある醤油
 です。

〇食事
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 食事は「自家製せいろ蕎麦」か「但馬の棚田米」を選べます。
 僕は蕎麦を選びました。よく締まった蕎麦に濃い目の汁で、ご飯は
 茸の佃煮・香の物・赤出汁付きです。

〇甘味は青梅のゼリーと二十世紀梨です。(絵はありません)

どのお料理も手ぬきなしの丁寧な仕上がりで十分満足できました。ノンアルはカクテル仕立てで女子も酔わないのに味わえ、オッサンたちはビールと「福寿」をそれなりに。飲み代込みで一人8000円で予算にぴったり納まりました。
幹事役のM君ありがとう、次は傘寿かな。それまでみんなお達者で…。
                           哲
【編集後記】
同級生の中に某大メーカーの社長X君がいて会の途中に僕が「普段はXと呼び捨てにされることはないやろ」と話を向けると「ほんまや、女性からもX君と呼ばれたことないわ」と少し嬉しそうに応えました。
54年が戻ったんやなと俺も嬉しくなりました。

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